【2026年10月】ビットコインのハードフォーク(ECX)で、貸出中のBTCは新しい暗号資産をもらえるのか

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結論:レンディングに貸し出している間は、受け取れません

暗号資産のレンディングサービスにビットコインを預けている場合、その期間にハードフォークが起きても、新しく生まれた暗号資産は受け取れません。 サービス側に帰属すると、利用規約に書かれています。

これは特定の会社だけの話ではなく、私が確認した2社はどちらも同じ条項を置いていました。

受け取れる可能性があるのは、自分の口座で自分自身が保有している場合です。ただしそちらも「必ずもらえる」わけではありません。理由は3章に書きます。

私は暗号資産のレンディングを実際に利用しているので、この点は自分の資産に直接関わる問題として調べました。


いまの状況(2026年9月20日時点)

先に、現時点で分かっていることと、まだ決まっていないことを並べておきます。

項目9月20日時点の状況
アルファ版(8月23日)実施済み
ベータ版(9月19日)実施済み(予定のブロック高 967,680 を通過)
正式版(10月31日ごろ)これから。予定のブロック高まで残り約5,900ブロック
貸出中のビットコイン対象外(BitLending・PBR Lending の規約に明記)
GMOコインの続報9月15日の第三報が最新(9月20日にニュース一覧で確認)
正式版での入出金の一時停止未定(第三報でも「決定次第案内」)
基準となる時点(スナップショット)と付与の日程未定(8月24日の問い合わせへの回答)

3段階のうち2つが終わり、残るのは10月31日ごろの正式版だけになりました。

ベータ版については、GMOコインが9月15日の第三報で「サービスの一時停止を行わず、新規暗号資産の付与も日本円の交付も行わない。付与等の対象となる残高の確認も行わない」と公表していました。公表どおり、9月19日の通過にあたって利用者側で必要な手続きはありませんでした。 私も何もしていません。

一方で、レンディングから手元に戻すには日数がかかります。BitLendingの「月末返還」は、申請した月の翌月1日から7営業日以内に戻る仕組みです。10月31日より前に戻すには、9月中の申請が必要な計算になります(10月に申請すると、戻るのは11月中旬です)。私は9月中に申請を済ませました(6章)。


1. 今回のハードフォークは、3段階で進みます

2026年に予定されているのは eCash(ECX)と呼ばれるハードフォークです。名前は似ていますが、既存の eCash(XEC)とは別物です。

段階ブロック高時期(日本時間)生成されるもの9月20日時点
アルファ版963,6482026年8月23日pECX(練習用)実施済み
ベータ版967,6802026年9月19日pECX(練習用)実施済み
正式版973,7282026年10月31日ごろECX(本番)残り約5,900ブロック

アルファ版とベータ版で生成される pECX は練習用で、後にバーン(焼却)して正式版のECXと交換する設計です。

本番は正式版の1回だけと考えてよいことになります。

日程はブロックの生成ペースによって前後します。「10月31日」は固定された日付ではありません。 9月20日17時台のブロック高(967,809)から、1ブロックを約10分として計算すると、正式版は10月31日の夕方ごろになります。GMOコインの第三報に書かれた日程とも一致しています。実際の生成ペースは一定ではないため、あくまで目安です。 なお、アルファ版の日付はGMOコインの第二報では「8月24日ごろ」とされていましたが、第三報で「8月23日」に改められています。


2. 貸出中のビットコインが対象外である根拠

規約の該当箇所を確認しました。

サービス条文定めている内容
BitLendingサービス利用規約 第18条1項5号・6号ハードフォークで生じた別個の暗号資産、およびエアドロップによる付与分は同社に帰属する
PBR Lendingご利用約款 第28条1項ハードフォーク・エアドロップその他一切の権利および財産的価値は同社に帰属する

BitLendingは規約だけでなく、FAQでも同じ内容を明示しています。貸出中に新しい暗号資産が発生した場合、それは同社に帰属し、利用者への付与は行っていない、という趣旨の記載です。

これは「隠された不利な条件」ではありません

条文を読んだときは正直ひやりとしましたが、調べてみると2社とも公開の規約に明記していて、片方はFAQでも説明していました。

レンディングは、預けている間の運用をサービス側に委ねる仕組みです。その期間に発生したものの扱いを、あらかじめ文書で定めてある。そう理解しています。

「知らなかった」で損をしないために、預ける前に読む場所がある、という話だと考えています。

レンディングそのもののリスクについては、当サイトの BitLendingは安全? 貸借料率の仕組みと、預ける前に知っておくリスク に別途まとめてあります。


3. では取引所に置いていればもらえるのか ── 現時点では「未定」です

自分の口座で保有していれば受け取れる可能性がありますが、確約ではありません。

私が使っているGMOコインの場合、公表されている情報は次のとおりです。

日付内容
2026年8月7日ハードフォーク時点のBTC保有者を、新規暗号資産または日本円の付与対象とする予定
2026年8月19日アルファ版ではサービスの一時停止を行わない。pECXを含め、同社ではECXを取り扱っていない。対応するのは正式版で、指針に則って対応する
2026年9月15日ベータ版でもサービスの一時停止を行わない。ベータ版では新規暗号資産の付与・日本円の交付を行わず、付与等の対象となる残高の確認も行わない。正式版の対応(一時停止の有無を含む)は決定次第案内
2026年9月20日時点第三報のあとの続報は出ていません(同社のニュース一覧で確認)

同社のハードフォーク対応指針には、新規暗号資産に代えて相当額の金銭を交付することがあるという趣旨の定めもあります。

「ECXを取り扱っていない」と明言している以上、仮に付与されるとしても日本円での交付になる可能性があります。

さらに指針には、確認事項をすべて満たしていても、同社が付与を不適切と判断した場合には付与しないことがあるという趣旨の条項が置かれています。もらえる前提で動く話ではありません。

問い合わせても、答えは増えませんでした

私が知りたかったのは「ハードフォークの実行時点で保有していれば、その後に出庫しても付与対象になるのか。それとも付与の時点まで残高を持ち続ける必要があるのか」という一点でした。

2026年8月23日にGMOコインのサポートへ問い合わせ、翌24日に回答をいただきました。要点は次のとおりです。

  • コーポレートサイトで公表していない内容については未定である
  • スナップショットや付与の日程を含めて、新しい案内ができるようになったら続報を掲載する

つまり、基準となる時点がいつなのかも、まだ決まっていません。 判断材料は公表情報がすべてで、問い合わせても増えないということが分かりました。

これは残念な結果ではありますが、「事前には分からない」ということ自体が、判断に必要な情報でした。分からないなら、分からないことを前提に決めるしかありません。

続報はメールではなく、同社のコーポレートサイトのニュース一覧に掲載されるとのことでした。私は正式版が近づく10月中旬に、もう一度確認するつもりです。

第三報で加わった注意点:リプレイプロテクション

9月15日の第三報では、新しく次の注意喚起が加わりました。

  • 分岐後の新しいチェーンは、ビットコインと同じアドレス形式を使う
  • リプレイプロテクションが任意設定になる予定である

リプレイプロテクションとは、分岐した一方のチェーンで行った取引が、もう一方のチェーンでも有効になってしまうことを防ぐしくみです。これが働かない場合、ビットコインのつもりで行った送金が、新しいチェーンの側でも同じように実行されてしまうおそれがあります。

GMOコインは、自分のウォレットなどでビットコインを扱う場合は十分に注意するよう呼びかけています。

私はビットコインを取引所の口座に置いたまま正式版を迎える予定で、分岐の前後に自分で送金することは避けるつもりです。正式版のあとにレンディングへ戻すのも、取引所から入出金を通常どおり利用できるという案内が出てから、と考えています。

あわせて第三報では、ハードフォークの前後に価格が大きく動くおそれがあるとして、ビットコインを代用暗号資産(証拠金の代わり)として使っている場合の強制売却や追証にも注意を促しています。


4. 過去のフォークコインは、その後どうなったか

ここがいちばん調べる価値のあった部分です。「もらえるかどうか」より「もらった後どうなるか」のほうが、結果への影響が大きいと考えたためです。

通貨分岐付与直後のBTC比2026年8月時点
ビットコインキャッシュ(BCH)2017年8月約7〜10%220ドル / BTC比 約0.3%
ビットコインゴールド(BTG)2017年10月数%程度0.66ドル / 24時間の取引高 6,706ドル
ビットコインダイヤモンド(BCD)2017年11月0.003 BTC(0.3%)ほぼ値が付かない
スーパービットコイン(SBTC)2017年12月ごくわずか消滅

BCHはフォークコインの中で最も成功した部類です。分岐直後の200ドルから数ヶ月で3,785ドルまで上昇し、2026年8月時点でも時価総額44億ドル規模で上位に残っています。

それでも、BTCに対する比率では約96%が失われています。

4例のうち、持ち続けたほうが良かったケースはひとつもありませんでした。

補足として、2017年は暗号資産市場の過熱期で、フォークコインが実態以上に評価されやすい時期でした。当時と同じ倍率を今の相場環境で見込むのは楽観的すぎると考えています。


5. 付与までの期間にも、大きな幅があります

「もらえるとして、いつ、どんな形で」という部分も一定ではありません。

事例分岐付与まで形態
BCH(GMOコイン)2017年8月1日3日現物
BSV(別の国内取引所の例)2018年11月13〜16ヶ月(2回に分けて実施)日本円

BCHのときは分岐が発生した時点のBTC残高が基準とされ、その後の保有継続は求められませんでした。付与から引き出せるようになるまでは約1ヶ月かかっています。

一方でBSVの例では、付与までに1年以上かかり、しかも現物ではなく日本円での交付でした。

数日で終わることもあれば、1年を超えることもある。事前には分かりません。

なお、暗号資産FXの建玉は対象外で、現物のみが対象になるのが一般的です。


6. 私がどう考えているか

ここまでを踏まえた、現時点での私の整理です。

  • 貸出中は対象外なので、受け取る可能性を残すなら、正式版の前に自分の口座へ戻しておく必要がある
  • ただしスナップショットの日程が未定なので、「当日だけ置いておく」という設計はできない。前後の一定期間を見込む必要がある
  • 戻している間は、そのぶんの貸借料を受け取れない。期間が読めない以上、動かす額は控えめに見積もるほうが整合する
  • そして過去4例を見る限り、仮に受け取れたとしても、持ち続ける前提では考えない

9月に決めたこと、いまの進み具合

この整理をもとに、レンディングに預けている分の大半を、一時的に取引所のウォレットへ移すことにしました。 返還には日数がかかるため、月末返還を使っています。

いきなりまとめて動かすのではなく、先に少額で返還を試しました。テストの分は9月14日に取引所へ着金し、経路に問題がないことを確かめたうえで、本番の月末返還を申請しています。BitLendingからの自動応答によると、戻ってくる予定日は10月9日です。正式版の3週間ほど前にあたります。

レンディングをやめるわけではありません。正式版のあと、付与の条件を確認して動かせる状態になったら、また戻す予定です。

動かした結果どうなったのかは、確定してから記録します。現時点では判断の途中であり、結果はまだ分かりません。

この記事は「こうすれば得をする」という話ではありません。付与は確約されておらず、日程も未定です。 私自身、もらえないという結論になる可能性を織り込んでいます。


よくある質問

レンディングに預けていると、エアドロップももらえないのですか

確認した2社の規約では、ハードフォークによる新規暗号資産とエアドロップによる付与分が、同じ条項の中で並べて記載されていました。どちらもサービス側に帰属するという定めです。実際の扱いは利用しているサービスの規約でご確認ください。

ベータ版(9月19日)では何か起きましたか

私が確認した範囲では、利用者側で必要な手続きはありませんでした。GMOコインは9月15日の第三報で、ベータ版の実施に際してサービスの一時停止を行わず、新規暗号資産の付与や日本円の交付、付与等の対象となる残高の確認も行わないと公表していました。対応するのは正式版(10月31日ごろ)です。ほかの取引所を使っている場合は、その会社の公表内容をご確認ください。

正式版(10月31日ごろ)までに、何をしておけばよいですか

決まった正解はありませんが、私は次の順で考えました。①レンディングに預けているなら、返還にかかる日数を逆算する(BitLendingの月末返還は申請した月の翌月1日から7営業日以内のため、10月に申請すると戻りは11月中旬になります)。②利用している取引所が、正式版のときに入出金を止めるかどうかの案内を確認する。③分岐の前後に自分で送金するのは避ける(リプレイプロテクションが任意設定になる予定のため)。④そのうえで、付与は確約されていないという前提で金額を決める。

分岐の前後に、ビットコインを送金しても問題ありませんか

GMOコインの第三報によると、分岐後の新しいチェーンはビットコインと同じアドレス形式を使い、リプレイプロテクション(一方のチェーンで行った取引が、もう一方でも有効になってしまうことを防ぐしくみ)は任意設定になる予定です。同社は、自分のウォレットなどでビットコインを扱う場合は十分に注意するよう呼びかけています。私自身は分岐の前後に自分で送金することは避け、利用している取引所の案内を確認してから動かすつもりです。

今回の eCash(ECX)と、既存の eCash(XEC)は同じものですか

いいえ、別物です。名前が似ているため混同されやすいのですが、今回のハードフォークで生まれる予定の ECX は、すでに流通している XEC とは異なる暗号資産です。

返還を申請すれば、すぐ手元に戻りますか

サービスによって条件が異なります。BitLendingの場合、最短の貸出期間が30日間と定められており、それを経過するまでは返還を申請できません。また返還の方法によって、その月の貸借料を受け取れるかどうかが変わります。急がないのであれば、条件を確認してから申請するほうが有利になる場合があります。

返還はいくらから申請できますか

BitLendingで私が申請した時点では、0.00015 BTC が最低の返還数量でした。この数値は公式サイト・利用規約・FAQのいずれにも記載がなく、実際に申請画面へ入力してみて分かったものです。貸し出すときの最低数量とは別の基準なので、混同しないようご注意ください。まとまった額を動かす前に少額で試しておきたい場合は、この下限を下回らない金額を選ぶ必要があります。条件は変更される可能性がありますので、実際の申請時に画面でご確認ください。

ハードフォークで生まれた暗号資産は、必ず取引所で扱われますか

いいえ。今回のケースでは、GMOコインが「pECXを含めECXを取り扱っていない」と公表しています。取り扱いのない暗号資産については、現物ではなく相当額の金銭で交付されることがあると同社の指針に記載されています。

いつまでに動かせばよいですか

正式版は2026年10月31日ごろの見込みですが、ブロックの生成ペースで前後します。またスナップショットの日程が公表されていないため、逆算で厳密な期限を出すことはできません。目安として、BitLendingの月末返還は申請した月の翌月1日から7営業日以内に戻るため、10月31日より前に戻すには9月中の申請が必要な計算です。レンディングの返還には日数がかかるため、動かすと決めたなら早めに手続きを始めるほうが安全だと考えています。