BitLendingは安全?貸借料率8%の仕組みと、預ける前に知っておくリスク

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結論:仕組みは公開されていますが、信託保全の対象外です

BitLending(運営:株式会社J-CAM)は、預けたビットコインなどの暗号資産を貸し出し、その対価として貸借料を受け取るサービスです。ビットコインの貸借料率は年8%(2026年8月時点)。

※年利は執筆時点のスワップポイント(または貸借料率)が1年間継続したと仮定した参考値です。将来の利回りを保証するものではなく、相場変動により元本を割り込む可能性があります。

「年8%」だけを見ると身構えると思います。私も最初はそうでした。調べたうえで、いまは実際に預けています。

判断のために押さえるべき点をまとめます。

収益の出どころ公開されている(取引所や機関投資家への貸し出し)
🔴 顧客資産の保全信託保全の対象外。 法的には「貸している」状態
増えるもの円ではなく暗号資産の枚数
引き出し最初の30日は動かせない。 その後は申請から7営業日以内

「詐欺かどうか」で見るとこのサービスは判断できません。 仕組みは公表されていて実体もあります。一方で、万一のときに資産が戻る法的な保証はありません。 つまり「安全か」ではなく、「どういう条件でなら預けてよいか」が問われるサービスです。

以下、仕組み・リスク・付き合い方の順に説明します。

1. なぜ年8%を出せるのか

怪しい話とそうでないものの分かれ目は、利回りが生まれる仕組みが公表されているかです。

BitLendingは、預かった暗号資産を暗号資産取引所や機関投資家に貸し出し、そこで得た金利の一部を貸借料として返す、と説明しています。いわば暗号資産のレンタル仲介業です。

預ける人 → BitLending → 取引所・機関投資家
預ける人 ← 貸借料     ← BitLending ← レンタル料

借りる側は、なぜ料金を払ってまで借りるのか

ここが分からないと納得できないと思います。借り手である機関投資家は、借りた暗号資産を使って次のような運用をしています。

  • アービトラージ(裁定取引) … 取引所ごとの価格差から利益を取る
  • マーケットメイク … 市場に売買の注文を出し続けて流動性を供給する

どちらも手元に多くの暗号資産があるほど成立しやすい手法です。だから料金を払ってでも借りたい需要が常にあります。利回りの原資が「新規参入者のお金」ではなく、実際の貸出料である点が、いわゆるポンジ・スキームとの違いです。

BitLendingは特定の1社に集中させず、複数の取引所・機関投資家に分散し、提携先ごとに貸出上限を設けているとしています。

ステーキングとは別のものです

暗号資産を増やす方法としてよく並べられますが、仕組みが違います。

レンディングステーキング
何をしているか暗号資産を貸し出すブロックチェーンのネットワーク運営に参加する
報酬の出どころ借り手が払う貸借料ネットワークからの報酬
対象銘柄幅広い限られる。ビットコインは対象外

ビットコインはステーキングができません。 仕組み上、対象になっていないためです。

つまりビットコインを長期で持っている人が、持ったまま増やす手段としては、レンディングは数少ない選択肢のひとつです。私がこのサービスを使っている理由も、突き詰めればここです。

「持っているだけの期間」に効きます

長期保有の弱点は、価格が動かない期間は何も起きないことです。レンディングを挟むと、その期間にも枚数が増えます。

下落局面でも、増えた枚数のぶんは円換算の目減りを一部埋めます(もちろん下落幅のほうが大きければ資産は減ります)。枚数そのものが減るわけではないので、値上がりを待つ姿勢と矛盾しません。

2. 🔴 最大のリスク:信託保全の対象外

ここがこのサービスで最も重要な点です。

BitLendingに預けた資産は、信託保全の対象外です。 運営会社や貸出先が破綻した場合、預けた暗号資産が戻らない可能性があります。

なぜ保全されないのか

法律上の立て付けが、取引所とは違うためです。

暗号資産取引所(GMOコインなど)BitLending
法的な位置づけ暗号資産交換業者貸借契約(消費貸借)
資産の状態会社が預かって管理している利用者が会社に貸している
所有権利用者一時的に会社へ移る
分別管理・保全の義務ありなし

「預ける」という言葉から銀行の預金を連想しがちですが、実際に起きているのは貸し借りです。貸した相手が返せなくなれば戻りません。この点は利用規約にも明記されています。

これは運営が不誠実だという話ではなく、サービスの構造そのものです。 貸すからこそ貸借料が発生します。保全された状態で年8%が付くサービスではない、と理解しておく必要があります。

3. ほかに知っておくべき2つのリスク

価格変動:増えるのは「枚数」です

貸借料は暗号資産で支払われます。増えるのはビットコインの枚数であって、円建ての金額ではありません。

年8%で枚数が増えても、ビットコインの価格が半分になれば円換算の資産は減ります。逆に価格が上がれば、枚数の増加と両方が効きます。円建てで安定した収入を期待するサービスではありません。

引き出しには時間がかかる(ただし思ったほどではありません)

ここは調べる前と後で印象が変わった部分なので、正確に書きます。

まず、貸出を開始してから30日間は返還請求ができません。 最短の貸出期間が30日と決まっているためです。入れた直後に気が変わっても戻せないので、ここは入れる前に理解しておく必要があります。

30日を過ぎれば、いつでも返還請求ができます。請求できる単位に縛りはなく、一部だけを戻すこともできます。そして返還方法は2つあります。

即時返還月末返還
戻ってくるまで申請を受け取った日の翌日から7営業日以内申請を受け取った日の属する月の翌月1日から7営業日以内
その月の貸借料🔴 受け取れません⭕ 受け取れます(繰り入れて返還)
向いている場面急いで動かしたいとき急いでいないとき

つまり「速さ」と「その月の貸借料」を交換する設計です。 急ぐなら即時返還を選び、その月の貸借料は諦める。急がないなら月末返還を選び、貸借料を受け取ってから戻す。

なお返還手数料は年4回まで無料です。

それでも、すぐ使えるお金ではありません

最短でも申請から7営業日かかり、入れた直後の30日間は請求すらできません。「明日必要」というお金を入れる場所ではないという結論は変わりません。

相場が急変したときに即座に逃げられるサービスでもない、という前提で金額を決めてください。

4. どういう条件なら預けてよいか

リスクをゼロにはできません。私は次の3つで管理しています。

① 失っても生活が続く範囲にとどめる

私が入れているのは、資産全体の1割から1.5割程度です。主力は信託保全の対象になるFXスワップ投資のほうで、レンディングはあくまで一部です。

この比率を守れるかどうかが、預けてよいかの実質的な判断基準だと思っています。全額を入れれば年8%の効きは大きくなりますが、前章の破綻リスクを丸ごと引き受けることになります。

【2026年9月〜11月】一時的に、大半を取引所へ移します

ビットコインのハードフォークへの対応のため、預けている分の大半を一時的に取引所のウォレットへ移すことにしました。 返還の手続きには日数がかかるため、9月中に申請して10月上旬に移し終える見込みです。

レンディングをやめたわけではありません。貸出中のビットコインは、ハードフォークで新しく生まれた暗号資産を受け取れないと規約に定められているためで、対応が済み次第また戻します。

上に書いた「資産全体の1割から1.5割程度」は平常時の基準で、戻したあとも同じ考え方で続けます。

判断の経緯は貸出中のビットコインは、ハードフォークの新しい暗号資産をもらえるのかにまとめました。

元手は「FXスワップで受け取った分」です

もうひとつ、私のやり方で効いていると思う点があります。ここに入れているお金は、生活費から切り出したものではありません。

FXスワップ投資で毎日受け取ったスワップポイントを月に1回出金し、その一部をビットコインの買い付けに回しています。 つまり、もともと自分の財布には無かったお金が原資です。

この形にしておくと2つ良いことがあります。

  • 元本を追加しなくても、預ける量が自然に増えていく
  • 心理的に耐えやすい。 価格が下がっても、生活資金を削って入れたお金ではないので、慌てて動かす理由がない

前章のとおり、このサービスで最も避けたいのは「怖くなって不利なタイミングで引き揚げる」ことです。そうならない資金の出どころを先に作っておくほうが、意志の強さに頼るより続けやすいと考えています。

この流れは FXスワップ投資とは?仕組みと利益の出方、いちばん大きいリスクを実践者が説明します の7章に図で整理しています。

② 出し入れのコストを、先に潰しておく

BitLendingを使うときの経路はこうなります。

取引所でビットコインを買う → BitLendingへ送る(貸出)
BitLendingから返してもらう → 取引所で受け取る

行きと帰りで、かかるコストの出どころが違います。 ここを混同すると対策を間違えます。

誰に払うかいくらか自分でコントロールできるか
行き(預けるとき)取引所 の送金手数料取引所による。0.0005 BTC など数千円のところもある⭕ 取引所を選べばゼロにできる
帰り(戻すとき)BitLending の返還手数料年4回まで無料❌ 取引所を変えても変わらない

行き:ここは取引所選びでゼロにできます

私が送金手数料無料の取引所を経由地(ハブ)にしているのは、ここのコストを消すためです。

効いてくるのは、毎月コツコツ送っているからです。私はFXスワップで受け取った分を月に1回ビットコインに替えて送っています。1回あたり数千円の送金手数料がかかる取引所を使っていたら、年間で数万円が消えます。 貸借料で増やしている横で同じ額を手数料で失うのでは、何をしているのか分かりません。

まとまった額を一度だけ入れて放置するなら、ここは大きな差になりません。積み増していく運用なら効きます。

どの取引所を使っているかと、その選び方はビットコインの送金手数料が無料の取引所|GMOコインで積み立てている2つの理由に書きました。

帰り:年4回までは無料。ただし回数に限りがあります

戻すときのコストはBitLendingの返還手数料で、これは年4回まで無料です。取引所をどこにしても変わりません。

無料枠があること自体は、リスク管理の面で意味があります。「手数料がもったいないから、もう少し様子を見よう」と判断が鈍る事態を避けられるためです。

ただし枠は年4回です。 平時に細かく出し入れして使い切ってしまうと、本当に動かしたいときに無料枠が残っていないことになります。私が出し入れをほとんどしないのは、次の③の理由が主ですが、この枠を残しておきたいという面もあります。

③ 何年も動かさないと決めた資産だけを入れる

私は、暗号資産の税制が変わるまで売らないと決めています。

現在、暗号資産の利益は雑所得として総合課税の対象で、住民税を含めた税率は最大でおよそ55%です。FXの申告分離課税(一律20.315%)とは扱いが違います。

この扱いは、見直しが進んでいます。 2026年時点の報道では、暗号資産を金融商品取引法の対象に移し、申告分離課税へ切り替える方向で、2028年からの導入が見込まれると伝えられています。ただし制度として確定したものではありませんので、最新の状況はご自身でご確認ください。

私はいずれ変わると考えています。 海外では分離課税が一般的で、日本だけ最大55%のままでは資金も人材も国外に出ていきます。国際競争力の観点から、時期はともかく方向は決まっているだろう、という読みです。だから、それまでは売らない前提で持っています。

そう決めているので、引き出しに1か月かかることが問題になりません。 前章のタイムラグは、短期で動かす人にはリスクですが、動かさない人には影響しません。自分の運用方針とサービスの制約が噛み合っているかどうかが、ここでの判断軸です。

5. 始める前に決めておくこと

順番としては、預ける前に次の3つを決めてしまうほうが安全です。

  1. 入れる上限額(全体の何割までか)
  2. どこを経由地にするか(積み増していくなら、送金手数料が無料の取引所を用意しておく)
  3. 何年動かさないつもりか(すぐ使う予定の資金は入れない)

この3つが決まっていれば、あとは放置できます。逆に決めずに始めると、価格が動くたびに判断を迫られることになります。

よくある質問

銀行預金の代わりになりますか。

なりません。元本が保証された預金とはまったく別のものです。信託保全の対象外で、増えるのも円ではなく暗号資産の枚数です。性格がまるで違うので、置き換えではなく、余剰資金の一部を回す先として考えるほうが実態に合います。

ビットコインを持っていなくても始められますか。

まず暗号資産取引所でビットコインを買う必要があります。そのときに送金手数料が無料の取引所を選んでおくと、後で有利になります。ここで数千円の手数料がかかる取引所を選ぶと、せっかくの貸借料が目減りします。

途中で引き出せますか。

できます。ただし貸出開始から30日間は返還請求そのものができません。 それ以降は、急ぐなら「即時返還」(申請の翌日から7営業日以内。ただしその月の貸借料は受け取れません)、急がないなら「月末返還」(翌月1日から7営業日以内。その月の貸借料も受け取れます)を選べます。返還手数料は年4回まで無料です。

いずれにせよ即日で現金化できるサービスではありません。

貸借料率は変わりますか。

変わる可能性があります。本記事の年8%は2026年8月時点の水準です。最新の料率は公式サイトでご確認ください。

FXスワップ投資とどちらがいいですか。

比べるものではないと考えています。FXスワップは日本円のキャッシュフローを生み、レンディングは暗号資産の枚数を増やします。私は前者を主力に置き、後者を一部に回しています。仕組みもリスクも別物なので、片方に寄せるより性格の違うものを持つほうが、振れ幅が小さくなります。

まとめ

  • 収益の出どころは公開されていて、取引所や機関投資家への貸し出しが原資
  • 🔴 信託保全の対象外。 法的には「預けている」のではなく「貸している」
  • 増えるのは暗号資産の枚数で、円建ての価値は価格次第
  • 最初の30日は返還請求ができない。 その後は即時返還(翌日から7営業日以内・その月の貸借料は放棄)か月末返還(翌月1日から7営業日以内・貸借料あり)を選ぶ
  • 判断すべきは「安全か」ではなく、失っても生活が続く範囲か

このサービスは、条件を選べば使えます。 全額を入れるものではなく、何年も動かさないと決めた余剰資金の置き場所として見るなら、筋は通っていると私は考えています。

FXスワップ投資のほうの仕組みは、FXスワップ投資とは?仕組みと利益の出方、いちばん大きいリスクを実践者が説明しますにまとめています。